「養殖真珠」
パールの価値や魅力、第2章は「養殖真珠」です。
真珠層を形成する貝の性質を利用し、人工的に作り出されるのが養殖真珠です。
綺麗な「真円真珠」を作ろうと世界中で研究が始まる中、最初に養殖に成功したのは日本人でした。その為真珠は、今でも国際的に尺貫法で取引されています。
養殖真珠が出来るまでには、まず「採苗」と言ってアコヤ貝の赤ちゃんを採取し、約2~3年かけて「母貝」になるまで大切に育てます。
元気に育った母貝に「挿核」と言って核を入れます。この核の周りに真珠層が何層にも巻かれていきます。真珠層はレンガの様に綺麗に積み上げていくことで美しい真珠層に仕上がって行くのです。
1~2年の養殖の間は、海水管理や貝の掃除に加え赤潮の発生など、貝を守るために気を抜けません。
他にも海を守り、森を育てるなど、人の手による作業が数えきれない程掛けられているのです。こうして育てられた貝がいよいよ「浜上げ」の時期を迎えます。浜上げは通常冬の寒い時期に行われます。これが薄くきめ細かな真珠層を形成し真珠の「テリ」を格段に向上させてくれます。
しかし全ての貝が美しい真珠を育てれるわけではありません。
浜上げまで元気に残った6割ほどの貝の中から、市場に出せる美しい真珠が出てくるのはごくわずかです。店頭で目にする真珠がどれほど希少か、お分かり頂けたでしょうか。次号に続く。
文/『ジュエリー文化』の伝道師
ジュエリーアドバイザー
マダム オースカ 大須賀睦美
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